前提条件と必要なツール
intra-mart Accel Platform(iAP) のユーザモジュール開発は、Visual Studio Code(以下 VSCode)と Accel CLI を中心としたツール群を、ローカル PC に用意して行います。 このページでは、開発環境に必要なツールとその役割、および利用するエージェントの準備を整理します。
CLI やターミナルの操作、iAP の位置づけといった前提知識は 前提知識 にまとめています。 用語の定義は 用語集 を参照してください。
本ガイドでできること
本ガイドに沿って作業することで、次のいずれか(または両方)を達成できる状態を提供します。
- VSCode による開発環境を構築できる
- 必要ツールを開発環境にインストールし、VSCode を起動してユーザモジュール開発の新規プロジェクトを作成・ビルドできる。
- 既存プロジェクト(e Builder で作成したプロジェクト)を VSCode による開発環境へ移行できる
- 既存のユーザモジュールプロジェクトに対して、VSCode 用の設定と AIネイティブ開発に必要な資材を追加し、VSCode 上で編集・ビルドできる状態にできる。
対象読者
本ガイドでは、次の開発者を対象としています。
- VSCode を利用して、AIネイティブなユーザモジュール開発環境を構築したい
- e Builder で作成した既存プロジェクトを、VSCode による AIネイティブな開発環境へ移行したい
本ガイド内には、背景知識や詳細な用語解説を含む「スキップしてよい補足」を補足ブロックとして配置しています。 最初は補足ブロックも含めてすべて読むことで、全体像を理解しやすくなります。 一度セットアップが完了した後、再度ツールを設定する際には、これらの補足を読み飛ばしてコマンドだけを追うことで、迅速に進められます。
必要なツール
本章では、セットアップに必要なツールとその役割を整理します。必要なツールと役割、および各ツールの関係性について説明します。
ツールの役割と関係
開発環境は複数のツールを組み合わせて成立します。まずはどのツールが何の役割を担うのかを俯瞰します。
| 役割 | ツール | 説明 |
|---|---|---|
| エディタ(IDE) | Visual Studio Code | コードを書く場所 |
| ランタイム/パッケージ管理 | Bun (v1.3.14以上) / Node.js (v24以上) | JavaScript 実行/依存ライブラリ管理 |
| ビルド基盤 | Java (JDK) | ユーザモジュールをコンパイルする土台 |
| ビルドツール | Maven | ユーザモジュールのビルド/パッケージング管理 |
| バージョン管理 | Git | 変更履歴の管理 |
| プロジェクト初期化 | Accel CLI | プロジェクトのひな形作成/既存プロジェクト移行 |
| エージェント | GitHub Copilot / Claude Code / OpenAI Codex | 開発をサポートする AI |
各ツールが担う役割は次のとおりです。
- Visual Studio Code:コードを編集する統合開発環境です。エージェントとの連携による開発(バイブコーディング)もこの上で行います。
- Bun:JavaScript ランタイム兼パッケージマネージャです。Accel CLI の実行(
bunx)や、依存関係のインストール・ビルド(bun install/bun run build)に利用します。 - Java (JDK):ユーザモジュールをコンパイルするための基盤です。
- Apache Maven:ユーザモジュールのビルド・パッケージングを行うビルドツールです。
bun run buildから内部的に呼び出されます。 - Git:変更履歴を管理するバージョン管理ツールです。バージョン管理を行わない場合は任意です。
Accel CLI は Node.js + npm 環境でも利用できます。 Node.js を使用する場合は、本ガイド全体を通して次のように読み替えてください。
bunx @intra-mart/accel ...->npx @intra-mart/accel ...bun run build->npm run build
ツール同士の関係を図で示します。
図 1: プロジェクトのひな形生成フェーズ
プロジェクトを新規作成/既存移行するときに動くツールです。
開発者がターミナルから bunx @intra-mart/accel ... を実行すると、Bun が Accel CLI を一時的に取得・実行し、プロジェクトのひな形を生成します。Git による履歴管理もこのタイミングで初期化されます。
図 2: プロジェクトの開発・ビルドフェーズ
プロジェクト作成後、日々の開発で動くツールです。「開発」と「ビルド」で領域を分けて示しています。
開発者は VSCode 上でコードを編集し、エージェントと対話しながら開発を進めます。ビルドはターミナル(VSCode の統合ターミナル等)で bun run build を実行すると、Bun → Maven → JDK の順に呼び出され、最終的にユーザモジュール(成果物)が生成されます。
必要なツール一覧
| カテゴリ | 項目 | 最低バージョン | 確認コマンド | 公式サイト |
|---|---|---|---|---|
| ランタイム | Bun | 1.3.14 以上 | bun --version | https://bun.com/ |
| ランタイム | Java (JDK) | 8 または 11 | java -version | ・Oracle JDK: https://www.oracle.com/java/ ・Amazon Corretto: https://aws.amazon.com/corretto/ ・Red Hat OpenJDK: https://developers.redhat.com/products/openjdk |
| ビルド | Maven | 3.9.14 以上 | mvn --version | https://maven.apache.org/index.html |
| バージョン管理 | Git | 2.53.0 以上 | git --version | https://git-scm.com/ |
| IDE | Visual Studio Code | 1.127.0 以上 | code --version | https://code.visualstudio.com/ |
利用可能な JDK のバージョンは、対象とする iAP のバージョンによって異なります。対象とする iAP バージョンのリリースノート(intra-mart Accel Series ドキュメントアーカイブ)を確認してください。
必須・任意の切り分け
- Git: バージョン管理を行う場合に必須。GitHub 等のリモートで管理する場合は、あわせて対応サービスのアカウントが必要です。
対応エージェント
本ガイドでは次のエージェントに対応しています。エージェントを利用した開発(バイブコーディング)を行う場合は、以下のいずれかを利用できます。利用にあたっては、事前にアカウント・契約をご用意ください。
| エージェント | 事前にお客様側で用意いただくもの |
|---|---|
| GitHub Copilot | Copilot の利用可能な GitHub アカウント(契約・サブスクリプション) |
| Claude Code | Anthropic アカウント(Claude の利用契約) |
| OpenAI Codex | Codex を利用可能な OpenAI(ChatGPT)アカウント(OpenAI の利用契約) |
利用するエージェントは、プロジェクト作成時に選択します。選択に応じて、スキルセット等が .claude / .github / .codex ディレクトリに配置されます。
GitHub Copilot CLI は 1.0.61 以上 が必要です。
1.0.60 以前のバージョンでは MCP の設定ファイルの読み込み先が異なるため、正常に動作しません(現在の GitHub Copilot CLI は .github/mcp.json を読み込みます)。
サービス契約・アカウント作成手順等については、各サービスの公式情報を参照してください。
- GitHub Copilot: https://docs.github.com/copilot
- Claude Code: https://www.anthropic.com/
- OpenAI Codex: https://openai.com/
セットアップの流れ
読者の状況により、次の 2 通りのルートがあります。ご自身のルートを確認してから進めてください。
- 新規プロジェクト作成: ツールのインストール → 新規プロジェクト作成 → Visual Studio Code のセットアップ → セットアップ完了チェックリスト
- 既存プロジェクト移行: ツールのインストール → 既存プロジェクトの移行 → Visual Studio Code のセットアップ → セットアップ完了チェックリスト
各章の作業中に問題が発生した場合は、トラブルシューティング を参照してください。代表的な症状・原因・解決策を整理しています。