新規プロジェクトの作成
このページでは、Accel CLI(@intra-mart/accel)を使って新規プロジェクトを作成する手順を解説します。
Accel CLI は iAP 開発のための統合 CLI ツールで、プロジェクトのひな形作成や、既存プロジェクトの移行を行います。
Accel CLI を利用した開発には、Visual Studio Code、Bun、Java SE Development Kit、Apache Maven、Git といったツールが必要です。事前に 前提条件と必要なツール と ツールのインストール を完了してください。
既存プロジェクトを VSCode 開発環境へ移行する場合は、本章をスキップして 既存プロジェクトの移行 に進んでください。
Accel CLI について
Accel CLI は npm パッケージ @intra-mart/accel として公開されています。Bun の bunx 経由でそのまま実行できるため、事前のインストールは不要です。
bunx @intra-mart/accel ... を実行すると、npm レジストリから常に最新の Accel CLI が取得されます。ローカルに古いバージョンが残り続けることはありません。
本ページで説明する init / update などの操作は、VSCode の拡張機能からも実行できます。ターミナルでコマンドを打つ代わりに、フォーム画面から同じ項目を入力する形になります。詳細は プロジェクトの作成と管理 を参照してください。
新規プロジェクトの作成
任意のディレクトリ(例: ~/projects)に移動してから、次のコマンドを実行します。
bunx @intra-mart/accel init my-project
my-project の部分は作成したいプロジェクト名に置き換えてください。
実行すると、CLI が対話形式で使用するエージェント等を尋ねてきます。画面の案内に従って選択してください。
プロジェクト名
プロジェクト名を指定します。
o プロジェクト名を入力してください
ディレクトリ名、pom.xml の <name>、package.json の name に反映されます
作成するシステムや機能を端的に表す名称を指定してください(例: customer-portal, invoice-management)
| my-project
アーティファクト ID
ユーザモジュールを一意に識別する識別子(アーティファクト ID)を指定します。半角英数字、ハイフン(-)、アンダースコア(_)、ドット(.)を使用してください。
o アーティファクトID(pomのartifactId)を入力してください
Maven の artifactId として pom.xml に記録されます(成果物のID)
成果物 (jar/war 等) のファイル名や、Maven で依存関係を識別するための ID
の一部として使われます。デフォルトはプロジェクト名と同じ値で、別の識別子を使いたい場合のみ変更してください
| my-project
IM-Juggling プロジェクトのパス
ユーザモジュールを追加する IM-Juggling プロジェクトを指定する場合に入力します。プロジェクトファイル(juggling.im)が存在するディレクトリのパスを指定してください。指定しない場合は空のままで問題ありません。
o IM-Jugglingプロジェクトのパスを入力してください(省略可)
指定すると juggling.im から iAPバージョンとモジュールを自動検出します
連携したい既存の IM-Juggling プロジェクトのディレクトリパスを指定してください(例: ../customer-portal-juggling)
| /path/to/juggling.im-root-directory
iAP バージョン
開発環境の iAP バージョンを選択します。選択したバージョンに合わせてプロジェクトテンプレートの資材(ルールやスキルなど)が配備されます。
o iAPバージョンを選択してください
| iAP本体のリリース版。配備される資材(CLAUDE.md 等)の内容がこのバージョンに合わせて変化します
| 2026 Spring (8.0.39)
利用するモジュール
プロジェクトで利用する iAP のモジュールを選択します。選択したモジュール向けの資材(ルールやスキルなど)が追加で配備されます。
o 利用するモジュールを選択してください
| iAP のオプション製品群。選択したモジュール向けの Skill や設定ファイル、CLAUDE.md, AGENTS.md
| 内のセクションが配備されます
| IM-Workflow, IM-BPM, ジョブスケジューラ
利用する機能
プロジェクトの開発で利用する iAP の機能を選択します。選択した機能向けの資材(ルールやスキルなど)が追加で配備されます。
o 利用する機能を選択してください(任意)
| プロジェクトで利用する iAP の機能。選択した機能向けの Skill や CLAUDE.md, AGENTS.md 内のセクションが配備されます
| スクリプト開発モデル, デザインシステム, 国際化 (多言語対応)
グループ名
プロジェクトに設定するグループ名を指定します。グループ名はユーザモジュールのグループを一意に識別する識別子(グループ ID)として使用されます。半角英数字、アンダースコア(_)、ドット(.)を使用してください。
o グループ名を入力してください
Maven の groupId として pom.xml に記録されます(組織を表すドット区切り名)
所属する組織やチームを表す識別子。逆ドメイン記法で書くと他者と衝突しにくいです(例: com.example, jp.co.intramart.app)
| com.example
プロジェクトバージョン
プロジェクトのバージョン番号を指定します。
o プロジェクトバージョンを入力してください
pom.xml の <version> と package.json の version に反映されます
プロジェクトのリリースバージョン。セマンティックバージョニング(MAJOR.MINOR.PATCH)が一般的です(例: 0.1.0,
1.0.0-SNAPSHOT)
| 0.1.0
プロジェクトの説明
プロジェクトの説明(用途や概要等)を入力します。
o プロジェクトの説明を入力してください
pom.xml の <description> や CLAUDE.md 等のヘッダに反映されます
このシステムが何をするものかの簡潔な説明。具体的に書くと後で読む人や検索の助けになります(例:
顧客情報を管理するポータルサイト)
| This is a sample project.
利用するデータベース
ユーザモジュールで利用するデータベースの種類を選択します。
o データベースを選択してください
| iAP が接続する DB。資材内のサンプル設定や接続文字列の例の生成に使われます
| postgresql
スクリプト開発での JavaScript の利用有無
Server Side JavaScript(SSJS)での開発に JavaScript を利用するかを指定します。
o TypeScriptの代わりにJavaScriptを利用しますか?
| プロジェクト全体の構成(tsconfig.json の有無、pom.xml / package.json
| の依存・スクリプト、エージェント資材内の言語ガイド)に影響します
| Yes
利用するエージェント
開発で利用するエージェントを選択します。GitHub Copilot / Claude Code / OpenAI Codex から選択できます。複数選択することも可能です。
o エージェントを選択してください
| claude-code → .claude/ 配下、codex → .codex/ 配下、github-copilot → .github/ 配下に、指示書や skills
| などを配備します
| github-copilot
Git リポジトリの初期化
プロジェクトをバージョン管理下に置くかを選択します。Yes の場合、Git リポジトリが初期化されます。
o Gitリポジトリを初期化しますか?
| 作成したプロジェクトディレクトリで git init を実行します
| Yes
init コマンドのオプション(エージェント選択等)の詳細は、Accel CLI の README を参照してください。
プロジェクトひな形の内容
init コマンドの実行が完了すると、プロジェクト名と同名のディレクトリ配下に次のような構成が生成されます。各要素の役割は、ツリー上のコメントに示すとおりです。
my-project
├ src - ユーザモジュールのコード・リソースを配置するディレクトリ
├ d.ts - スクリプト開発向け API(im-BizAPI)の TypeScript 型定義
├ .accel
│ └ settings.json - Accel CLI のプロジェクト設定
├ module.xml - モジュールメタデータファイル
├ package.json - 依存ライブラリや build などのスクリプトを定義
├ pom.xml - Maven のプロジェクト定義ファイル
├ settings.xml - Maven の設定ファイル(リポジトリの定義)
├ .claude - Claude Code を選択した場合に生成
├ .github - GitHub Copilot を選択した場合に生成
└ .codex - Codex を選択した場合に生成
選択したエージェントに応じて、.claude/ / .github/ / .codex/ が生成されます。生成物を含めた全体の構成は次のとおりです。
my-project/
├── src/
├── d.ts/
├── .accel/
│ ├── settings.json
│ └── ...
├── module.xml
├── package.json
├── pom.xml
├── settings.xml
├── .claude/ # Claude Code を選択した場合
│ ├── CLAUDE.md
│ └── ...
├── .github/ # GitHub Copilot を選択した場合
│ ├── copilot-instructions.md
│ └── ...
├── .codex/ # OpenAI Codex を選択した場合
│ ├── AGENTS.md
│ └── ...
...
src ディレクトリ配下のリソース配置は、リソース配置 で説明した定義済みディレクトリの仕様に従います。
module.xml はモジュールメタデータファイルです。詳細は モジュールメタデータ(module.xml) を参照してください。
主要なファイル・ディレクトリの役割は次のとおりです。
| ファイル/ディレクトリ | 役割の説明 |
|---|---|
src/ | ユーザモジュールのコードやリソースを配置する。 |
d.ts/ | iAP のスクリプト開発向け API(im-BizAPI)の TypeScript 型定義ファイル群。 |
.accel/settings.json | Accel CLI のプロジェクト設定。選択したエージェント等が記録される。 |
module.xml | モジュールメタデータファイル。詳細は モジュールメタデータ(module.xml) を参照。e Builder での扱いは intra-mart e Builder for Accel Platform アプリケーション開発ガイド - module.xml を参照。 |
package.json | プロジェクトの設定ファイル。依存ライブラリや build などのスクリプト(コマンド定義)が書かれている。bun run build を実行すると、このファイルに定義されている build スクリプトが実行される。 |
pom.xml | Maven のプロジェクト定義ファイル。ビルド時にどのライブラリを使うか、成果物をどこに出力するかなどが定義されている。 |
settings.xml | Maven の設定ファイル。利用するリポジトリ(ライブラリの取得元)が定義されている。 |
.claude/ | Claude Code を選択した場合に生成される。Claude Code 向けの指示ならびにルールやスキル等を配置する。 |
.claude/CLAUDE.md | Claude Code を選択した場合に生成される。Claude Code がプロジェクトの概要を理解するためのファイル。 |
.github/ | GitHub Copilot を選択した場合に生成される。GitHub Copilot 向けの指示ならびにルールやスキル等を配置する。 |
.github/copilot-instructions.md | GitHub Copilot を選択した場合に生成される。GitHub Copilot に渡すプロジェクト指示。 |
.codex/ | OpenAI Codex を選択した場合に生成される。OpenAI Codex 向けの指示ならびにルールやスキル等を配置する。 |
.codex/AGENTS.md | OpenAI Codex を選択した場合に生成される。OpenAI Codex に渡すプロジェクト指示。 |
pom.xml の <groupId> / <artifactId> / <version>(GAV)と、module.xml の <id> / <version>(モジュールメタデータ)は、用途の異なる別個の識別情報です。GAV はビルドや依存解決に、モジュールメタデータは iAP 上でのモジュール識別に利用されます。
Accel CLI は init の対話プロンプトで入力したグループ名・アーティファクトIDをもとに、module.xml の <id> を <groupId>.<artifactId>(例: com.example + my-project → com.example.my-project)として自動生成し、<version> には pom.xml と同じ値を設定します。
.claude / .github / .codex ディレクトリには、エージェントによる開発(バイブコーディング)を支援するための規約ファイル・スキルセット・フック設定が配置されます。
テンプレートの更新
プロジェクトテンプレートは、定期的に更新が入ることが想定されます。新しいテンプレートを自分のプロジェクトに取り込むには、プロジェクトのルートディレクトリで update コマンドを実行します。
bunx @intra-mart/accel update
- ユーザーが編集したファイルの内容は保持されます。編集箇所とテンプレートの更新が重なった場合は、git と同じ形式のコンフリクトマーカー(
<<<<<<<)が挿入されるので、終了時に表示される対象ファイル一覧を確認し、該当ファイルを手動で解決してください。 - 対話モードでは、最初に「既存の設定を利用するか」を確認します(デフォルト: Yes)。利用する場合はそのまま更新に進み、再入力を選んだ場合は iAP バージョン・モジュール・エージェントなどの設定を現在値を初期値として変更できます。
- 更新後は install / build が自動実行されます(コンフリクトが発生した場合は、解決前のビルド失敗を避けるためスキップされます)。
- 非対話モードで実行する場合は
bunx @intra-mart/accel update --non-interactiveを利用します(未指定の設定項目は現在値を維持します)。詳細なオプションは npm の README を参照してください。
未コミットの変更がある状態での実行は推奨しません(警告が表示されます)。update 前にコミットしておくと、万一の際に更新前の状態へ戻せます。
update は資材リポジトリ(git ソース)から配備されたプロジェクトでのみ利用できます。旧バージョンの CLI で作成したプロジェクトなどで利用できない場合は、従来どおり detach → attach で資材を入れ替えてください(この手順ではユーザー編集とのマージは行われません)。
bunx @intra-mart/accel detach
bunx @intra-mart/accel attach
intra-mart e Builder for Accel Platform(Eclipse ベースの統合開発環境)で作成した既存のモジュールプロジェクトを VSCode 開発環境へ移行する場合は、移行対象プロジェクトのルートディレクトリで bunx @intra-mart/accel attach を実行します。詳しくは 既存プロジェクトの移行 を参照してください。
作業完了確認
プロジェクトディレクトリに移動し、主要なファイルが生成されていることを確認します。
Windows (PowerShell):
cd my-project
ls ('src', 'd.ts', '.accel/settings.json', 'module.xml', 'package.json', 'pom.xml', 'settings.xml')
成功時の出力例:
Directory: C:\Users\username\my-project\src
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
-a---- 2026/04/27 10:30 0 .gitkeep
Directory: C:\Users\username\my-project \d.ts
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
d----- 2026/04/27 10:30 bpm
d----- 2026/04/27 10:30 master
...
Directory: C:\Users\username\my-project\.accel
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
-a---- 2026/04/27 10:30 66025 settings.json
Directory: C:\Users\username\my-project
Mode LastWriteTime Length Name
---- ------------- ------ ----
-a---- 2026/04/27 10:30 615 module.xml
-a---- 2026/04/27 10:30 380 package.json
...
macOS / Linux:
cd my-project
ls src d.ts .accel/settings.json module.xml package.json pom.xml settings.xml
成功時の出力例:
.accel/settings.json module.xml package.json pom.xml settings.xml
d.ts:
bpm master ...
src:
すべてのファイルが存在すれば成功です。
Git リポジトリの初期化と確認(Git 初期化を選択した場合)
プロジェクト作成時に Git リポジトリの初期化を選択した場合、.git ディレクトリが作成されています。
次のコマンドでファイルをコミットし、イニシャルコミットが作成されたことを確認してください。
Windows (PowerShell):
cd my-project
git add .
git commit -m "Initial commit"
git log --oneline
macOS / Linux:
cd my-project
git add .
git commit -m "Initial commit"
git log --oneline
コミット履歴が表示されれば成功です。例:
abc1234 (HEAD -> master) Initial commit
トラブルシューティング の「CLI 実行・動作確認関連」セクションを参照してください。